ミミ

ミミ

ミミ

平成11年(1999年)10月6日没

ある日、夫が小さな段ボールを抱えて帰って来ました。会社に可哀想な子猫がいたので、放っておけずに連れて帰って来たとか。うちにはもう既にニャー親子孫軍団が居るのに一体どうするの~!?と悲鳴をあげつつ箱を開けてみて二度ビックリ!雑巾かと見まがうほどに汚れた猫です。直ぐにお風呂場に直行しましたが、洗っても洗ってもドロドロの汁が流れ続けます。綺麗になってクリクリしたお目々が現れたその子に何故か「ミミちゃん」と呼びかける夫にまたビックリ!既に名前も付けてしまってるではないの。
でも、ボロ雑巾が真っ白で素敵なシンデレラに大変身!こんな美しいチンチラの子猫が何故野良生活をしていたのか、それが不思議でなりません。

猫を被ったミミちゃんは、毎日遠慮がちに部屋の角に座り込んだまま。ぬいぐるみの様で可愛くてたまりませんでした。一度脱走してしまって心配しましたが、庭にいたチャゲとあすかが、ちゃんと連れて帰って来てくれました。

震災の時、倒れた箪笥をかき分けながら二階に上がって来てくれたミミちゃんは、普段は鳴かないのに「ニャーニャー」と私達を呼んで心配してくれました。ペット禁止だった仮住まいでもこっそりと一緒に暮らし、辛い避難生活にも癒しをくれた宝物の様な存在でした。