ニャー

ニャー

ニャー

平成6年(1994年)没

あれは昭和の終わり頃のこと。たった1匹の野良猫がふらりと庭に現れて、いつの間にか13匹の大家族となって、私達と暮らす事になったおはなしです。
「ニャー」と名付けたその猫は、どこかで産んだ子猫を連れて来たり、死んでしまった子猫を毎日探し回って大騒ぎをしたり、次は庭で出産したりして、私達を振り回してばかり。
5匹の子猫を出産した時は2匹だけが元気に育ちましたが、半年後にはその2匹が5匹ずつを同時期に出産!!その時、子猫を一匹ずつ口にくわえて縁側の石の上に置いて「可愛い孫達を飼ってやってや~」と私達に言ったのは、お婆ちゃんにあたるニャーでした。まだ若い娘達に育児は無理だと考えたのでしょうか。
その時から「猫屋敷」と化してしまった我が家。慌てて皆に避妊手術を行ったのは言うまでもありません。
阪神大震災の時には、驚いて一旦散り散りになった猫達でしたが、その後ちゃんと戻って来ました。この強い絆で結ばれたファミリーは、住み慣れた家の解体から新築工事までの工程を庭の片隅でのんびり見物しながらしっかり留守番もしてくれる頼もしい家族になりました。